「この髪型にしてメガネをかけたとき、勉が降りてきました」

勉の独特の髪型は、安田さんのアイデアだと聞きましたが?

最初の衣装合わせのときに、東京オタクであるとか、いろいろとお話をうかがったんですね。それで、流行に敏感なんだけどちょっとずれてるっていうのが勉っぽいんじゃないかと思ったんです。僕の住まいは札幌なんですが、十年以上、同じ美容師さんにお世話になってるんです。いちいち役のたびに説明する必要もないですからね。それで、衣装合わせの後、その美容師さんに、「この7月から9月にかけて東京で一番流行ってる髪形にしてください」とお願いしてみたんです。そしたら、その方が、「けんちゃんね、今、一番流行ってきてるのは、水嶋ヒロだから。あの髪型にしたら、歩いてるだけでも、後姿でもてちゃうよ」と(笑)。「でも、前髪はさわらないでおこうね、ちょっとずれてるから」ってことで、この髪型になったんです。脚本では南青山アーバンスタイルって言葉が出てきますけど、三角ワカメみたいになっちゃって、ある意味成功だったな、という(笑)。で、このメガネでしょう? 打ち合わせのときに、このメガネをかけたときにピタッと決まって、勉が僕の中に降りてきたんですよ。このメガネかけちゃえば、何やったってずれますから(笑)。いい意味、あきらめもつきましたしね(笑)。というわけで、僕のアイデアというよりは、札幌の美容師さんと、衣装合わせのときにスタッフさんと話し合いできたおかげです。

性格的には、勉をどのようにとらえて演じてらっしゃいますか?

東京にあこがれているのに行かないっていうのは、やっぱり心の内に何かがあるんだと思います。電車だと3時間かかりますけれど、クルマだったらアクアラインもありますし、行けない距離じゃないでしょう。でも、ずっと勝浦にいて出て行かない。そういう方って、けっこういらっしゃると思うんですよ。出て行ったところで何をするでもない、そこでしか生きれないというような人たちですよね。勉ってのはそういう人間で、僕自身も非常に内弁慶なところがありますから、よくわかります。そういう性格が、メガネと三角ワカメとこのジャケットによく現れてますよね。

そんな勉役を演じる中で、安田さんの印象に残ったセリフを教えてください。

第4話で、都倉さんが「勉さんはうそつける人じゃないから」って言ってくれたときの「都倉さん、都倉って呼んでいいですか」っていうセリフです。非常に勉らしいシーンですよね。やっぱり、中園さんはすごいなって思いました。バカバカしくもありますが、勉のうれしさがよく出ていますよね。あのセリフはすごく印象に残っています。

勉の今後も楽しみですね。

勉もいつか東京に行けたらいいですね。といいながらも、勉が人様の前に出るのはこの三ヶ月だけですから、その間にそういうチャンスがあったら、いいなと思います。勉が初めて東京に行ったときに、何を感じるんだろうなってのは、僕も気になりますね。(了)