「センター長らしいことはなにもやってないんですよ(笑)」

プロデューサーの話では、松重さんの演技で酒巻というキャラクターが今の姿になったと聞きましたが?

酒巻っていうのは、とぼけたというか無責任というか、センター長といいながらも長らしいことはなにもやってないんですよ(笑)。そういうノリの人なんだと思って演じていったら、どんどんそのとおりの人物になっていきましたね。第2話で、別れた女房の話が出てきて、「ああ、そういう背景を持った人なんだ」って知りましたけど、千葉の勝浦に飛ばされたさびしい中年男っていう感じですよね。で、さびしい人はどこかずるいところも持ってるだろうから、ああいうキャラクターになったんじゃないかなって思うんですけれども。

ずるいところはありながらも、憎めないところもありますね?

まあ、憎む価値もないぐらいの軽薄な人なんじゃないかな(笑)。でも、悪人じゃないとは思いますよ。大企業からはじき飛ばされてしまったのが、優しさのせいなのか弱さのせいなのかはよくわからないんですけど、そういう人っていっぱいいるんじゃないかなって思うんです。弱肉強食の社会で勝ち残って行けずにドロップアウトしちゃった人の代表みたいな感じがしますよね。

コールセンターの面々も個性的なキャラばかりですが、共演の感想はいかがですか?

お互いにキャラクターがかぶってない人たちばっかりですし、それぞれ経験値もまったく違うんですけども、すごくいい関係です。ほんとに不思議なくらいに仲が良いんですよ。これはキャスティングの力なのかもしれませんね。若林さんっていう長老がいて、僕のような中堅がいて、そのちょっと下に安田君っていう中間管理職がいて、野々華ちゃんみたいな十代の子もいる。そういう中で、みんなが同じ目線で話をしてるので、すごくいいチームになってます。前室ではいろいろ雑談をしてるけれども、スタジオの中に入るとパッと集中してひとつになるっていうのが、いいチームワークだなって思います。

主演の小泉孝太郎さんとの共演はいかがですか?

小泉君とは何度かお仕事したこともあったんですけども、今までは彼も脇で自由にしてたところがあったと思うんです。でも、今回は主役ですからね。スケジュール的にもたいへんでしょうし、主役の役割は僕らが想像できないものです。でも、ああいう人っていうのは軽々とやっちゃうんですよね。どう見ても、小泉君がやってるのは主役の芝居だし、周りも盛り立てていこうっていうムードになっている。それでいて、傲慢になるわけでもなく、気負って何かをするってわけでもない。自然体でそういう立ち位置にいるってのは、すばらしい器を持ってるってことだと思いました。

最後に、松重さんの考えるドラマのみどころを教えてください。

僕も潜在的なテレビショッパーだし、テレビを見てる人は一日の中で何パーセントかテレビショッピングを目にしてると思います。そういうネタを取り上げたドラマっていうのは、やっぱりのぞく価値があると思うんですよ。「こんな商品、ありそうだな」とか、「こんな裏話、ありそうだな」っていう話が盛りだくさんなんで、ぜひ一度のぞいていただければと思います。(了)